「今、吸うの? 吐くの?」と考えているうちに、動きが分からなくなる。ピラティスの呼吸で迷ったときは、全部を同時に合わせようとせず、いったん止まって、どの場面で息を吸う・吐くのか聞き直してみましょう。
呼吸の指示は、種目の目的や教え方によって変わることがあります。一つの動画で覚えた順番を、すべてのレッスンへ当てはめる必要はありません。
吸う・吐くの正解を一つに決めつけない
「体を伸ばすときは必ず吸う」といった覚え方だけでは、別の説明を受けたときに混乱します。たとえば、ピラティスの教育体系の一つであるSTOTT PILATESでは、背骨を伸ばす動きに吸う説明と、腹部の働きを保つ目的で吐く説明の両方があります。呼吸の考え方を示した公式教材
これは特定の教え方の例であり、すべてのピラティスで同じ手順を使うという意味ではありません。前の担当者と説明が違ったら、どちらが間違いかを自分で決めず、「今回は何を意識するための呼吸ですか」と聞いてみてください。
基本的な特徴を先に知りたい場合は、ピラティスとは何かから読むと、呼吸だけに注意を集中させすぎずに全体を捉えられます。
胸式呼吸という言葉を難しく考えすぎない
レッスンで「胸式呼吸」と聞いても、胸の上だけを大きく持ち上げればよい、と解釈しないでください。前述の教材では、肋骨が前後左右に広がるような呼吸を説明しています。
ただし、文章だけで自分の呼吸を細かく判定する必要はありません。「脇のあたりの動きが分からない」「肩に力が入る気がする」など、実際に分からない感覚を伝えましょう。専門用語を正確に言えなくても、インストラクターへ質問できます。
息を大きく吸うことばかり頑張ったり、お腹を固め続けたりせず、今受けている説明の範囲を確かめてください。この記事は呼吸の治療や個別の練習手順を示すものではありません。
動きと合わないときの聞き方
説明を聞き直すときは、「呼吸が苦手です」で終わらせず、迷った場所を短く示すと会話を始めやすくなります。次は、編集部が作成した質問の例です。
| 困った場面 | 聞き方の例 |
|---|---|
| 動き始めで迷う | 動き出す前と動いている途中、どちらで息を吐きますか |
| 指示が重なって追いつかない | 呼吸の説明を先に聞いてから、動きを確認してもよいですか |
| 別の説明を覚えている | 前は違う順番でしたが、今回は何を意識していますか |
| 感覚が分からない | 自分では分からないので、見てもらえますか |
質問するときも、不安定な姿勢や動いているマシンの上で無理に話し続けず、インストラクターの案内に従って止まってから確認しましょう。
痛みや不調が出たら、練習を中止してください。息苦しさなど気になる症状がある場合は、呼吸法だけで対処しようとせず医師へ相談しましょう。持病、けが、妊娠中・産後などで運動への不安がある場合も、参加前の相談が必要です。運動時の安全上の注意
復習では種目と説明をセットで残す
レッスン後のメモに「吐く」とだけ書いても、どの動きだったのか思い出せないかもしれません。種目名が分からなければ、「座って行った動き」など自分が思い出せる言葉と、教わった説明を一緒に残してみてください。
「教わったこと」と「まだ確認したいこと」を分けるのも一案です。覚えていない部分は想像で埋めず、次に質問する欄へ置きます。メモの取り方はレッスン後の復習方法にもまとめています。
呼吸の順番を暗記することだけを目標にしなくても大丈夫です。迷う場面を見つけて聞き直し、自分が理解できた範囲を少しずつ増やしていきましょう。


