ピラティスを始めると、「ウォーキングもしたほうがいい?」「ジムの筋トレは続ける?」と迷うかもしれません。
考えるときは、運動の名前よりも、実際に何をしているかを見ます。ピラティスに通っているという理由だけで、有酸素運動も筋力トレーニングも十分とは判断できません。
この記事では、一般の成人が運動習慣を整理するための考え方を紹介します。治療中の方などに必要な運動内容や量を、個別に決める記事ではありません。
三つを競わせず、役割を分けて考える
ウォーキング、筋力トレーニング、ピラティスは、「どれが一番効くか」だけで選ぶ必要はありません。次のように、取り組んでいる内容を確認してみましょう。
- ウォーキング:歩く時間と、どのくらいの強さで歩いているか
- 筋力トレーニング:どの部位を、どんな負荷で使っているか
- ピラティス:レッスンで何を練習し、どんな負担を感じているか
ピラティスにも筋肉を使う動きはあります。ただし、「筋肉を使った感覚があること」と、健康のための筋力トレーニングの条件を満たすことは同じではありません。
英国の公的医療サービスは、筋力を高める運動を、筋肉が普段より強く働く活動として説明しています。ピラティスのレッスン全体を一括して数えず、内容を担当者と確かめる必要があります。筋力を高める運動の説明
「週150分」は、ピラティスの受講時間の指定ではない
米国の公衆衛生機関は、一般の成人に、中程度の強さの有酸素運動を週150分以上、加えて全身の主な筋肉を使う運動を週2日以上行う目安を示しています。強い有酸素運動なら週75分、または両者の組み合わせという示し方もあります。成人の身体活動の目安
これは健康のための運動全般の指針です。「50分のピラティスを3回受ければ達成」と、そのまま置き換えることはできません。説明を聞く時間や静かな動きもあるため、受講時間と有酸素運動の時間は分けて考えます。
また、この数字は、運動していなかった人が初日から達成すべきノルマではありません。今の活動量を確認し、自分に合う内容を少しずつ生活に組み込みましょう。
日本の目安も、生活全体から読む
厚生労働省の成人向けガイドは、歩行と同じくらいかそれ以上の強さの身体活動を1日60分以上、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日という目安を示しています。身体活動には通勤や家事なども含まれ、筋トレは週60分の運動に含められます。日本の成人向けガイド
米国の「有酸素運動」と日本の「生活活動も含む身体活動」では数える範囲が違うため、分数を足し算して達成するものではありません。日本のガイドも、個人差に応じて強さや量を調整し、可能なことから今より少し多く動く方針です。ここでも、ピラティスの受講時間をそのまま必要量に置き換えないでください。
ウォーキングは「歩いた時間」と「強さ」を分けて見る
ゆっくり散歩することと、息が少し弾むように歩くことでは、負担が違います。歩いた時間だけで、中程度の有酸素運動としての時間が決まるわけではありません。
有酸素運動の強さを確かめる簡便な方法として、「会話はできるが、歌うのは難しい」程度が中程度の目安として紹介されています。体力によっても感じ方は変わります。運動の強さを確かめる方法
これは歩行などで強さを見積もる目安で、体調の安全判定ではありません。数字に合わせようとして、体調が悪い日まで速く歩く必要はありません。
一週間の予定は、今していることから組み直す
次は、編集部が作成した予定整理の例です。必要な運動量を満たす完成メニューや、効果が検証された組み合わせではありません。
すでにジムへ通っている人は、現在の筋トレ日と内容を先に書き出します。そのうえで、ピラティスで新しく学びたいことを考え、担当者へ両方の予定を伝えます。
ピラティス以外はほとんど動いていない人は、レッスンを増やす前に、移動や休憩中に歩ける場面がないかを探します。新しい習い事を増やさなくても、予定を見直せる場合があります。
予定を詰めると続かない人は、「新しい運動を全部始める」のではなく、まず一つ試します。楽しめて自分の能力に合う活動を選ぶことは、公的な運動案内でも勧められています。活動を選び、記録する方法
どの例でも、ピラティスが筋トレの代わりになるか、有酸素運動をどれだけ追加するかは、名前ではなく実施内容から相談してください。
同じ日に行うなら、順番だけでなく全体の負担を確認
「筋トレの後にピラティス」「朝に歩いて夜にピラティス」など、同じ日に組み合わせたい場合もあるでしょう。この資料確認の範囲では、すべての人に共通する最適な順番は示せません。
予約の都合だけで決めず、その日に行う別の運動もインストラクターへ伝えます。終わった後に疲れが残り、次の運動で説明を聞いたり動きを保ったりするのが難しいなら、内容や予定を見直す相談が必要です。
持病がある場合の運動の種類や量は、医師へ確認してください。運動習慣がない状態から強い運動を始める場合にも、相談が必要なことがあります。運動前に医師へ相談する条件
足し算の前に、一週間を振り返ろう
大切なのは、運動の種類をたくさん並べることではありません。今の活動、学びたいこと、無理なく続けられる予定をそろえて考えることです。
まずは一週間、歩いたこと、受けたレッスン、筋トレの内容を記録してみましょう。レッスン後の復習メモも併用できます。
しばらく運動から離れていた方は、久しぶりにピラティスを再開するときの準備を先に確認してください。特定の体の変化を期待しているなら、ピラティスで期待できること・できないことも読んだうえで、取り組む内容を選びましょう。
よくある質問
家事をした時間は、すべて身体活動の目安に数えられますか?
日本の成人向け目安には、歩行と同じくらいかそれ以上の強さという条件があります。家事という名前だけで全時間を数えず、実際の動きと強さを確認します。
忙しい週も、三種類すべてを予定に入れるべきですか?
三種類の名前をそろえることが目的ではありません。今の活動内容と確保できる時間を整理し、不足する活動や負担の調整を担当者と相談しましょう。



